ぶれない生活「谷川嘉浩著『スマホ時代の哲学』携書2025年」を読んだ。哲学書の常だが、内容は、かなり分かり難い。 スマホ普及の影響として、二つのことが挙げられている。 @多くの人と四六時中繋がっていないと不安になり、結果として多くの浅い繋がりに溺れてしまっている。 ASNSの内容を見続けると、類似した推奨サイトを見ることとなり、内容の真義はともかく、それを信じるようになってしまう。 本書の主題は、こうした状況と関連した我々の精神状態をいろんな角度から分析したものである。 しかし、本書では触れられていないが、私は、脳科学による理解が容易なように思われる。 @四六時中繋がっていないと不安になることについては、我々が何を意識するかについての制御に関することであろう。注意欠如・多動症(ADHS)スペクトラムの問題として捉えれば分かり易いのではなかろうか。 A内容の真義はともかく、それを深く信じるようになることについては、認知バイアスの問題として捉えれば分かり易いのてばなかろうか。 ADHSスペクトラム、認知バイアスは、我々にとって逃れられないことで、受け入れざるを得ない。そのうえでどう対処するか。 @の対処は、各自が日常すべきことを列挙し、それを順次こなしていくことであろう。一つのことをやっていて飽きてくれば、他のメニューに切替えればいい。課題の深考、読書、趣味の追求、家事の処理、テレビ視聴など推し活、気晴らしの遊び等々、やるべきことを列挙して意識していれば、退屈などにならず、過ごすことができるのではなかろうか。ADHSスペクトラムはこの操作がうまくできない脳の状況である。 A認知バイアスは、避けることができない脳の作用である。我々の脳は、その時々の環境の下で、様々な情報(脳に蓄積している記憶・外部からの刺激)を自分の都合がいいようにつなぎ合わせて判断している。ここで誤り(真実から乖離し、正義に沿わないこと)を避けるためには、普段からいろいろと考え続けて、それを脳の記憶として蓄積しておく他はない。 これら2つのことを普段から心掛けていれば、ぶれない生活ができるように思われる。 Jul.11,2025 目次に戻る |