外交「小原雅博著『外交とは何かー不戦不敗の要諦』中公新書2025」を読んだ。日本の明治以降の経緯、ギリシャ・ローマの歴史、西欧の近現代史、さらに現在の国際情勢等を事例として外交を説明している。軍事との絡み合い等を中心に体系的な説明であり、一般に流布している発想であり分かり易い。 軍とともに国民の暴走が危ういこと、外交は透明にできない面があるとことなどが強調されているといえようか。 ただ、本書のサブタイトル「不戦不敗の要諦」や帯コピー「戦わずして勝つ」については、具体的な内容がないように思われるがいかがだろうか。 私見だが、厳しい状況に陥らないよう、普段から積極的に平和形成に努めることこそ大事なのではなかろうか。 また、地球温暖化など人類全体が責任を持つ課題への対処については、本書では記述されていない。温暖化ガス排出削減のために経済活動を縮減すると国力(軍事力)の削減になり、必要な対処を自発的にはできない。国連等の国際機関が議論の場となり得るのだろうが、かなり心もとない。結局は、大混乱が確実に起こるのではなかろうか。 こうした課題の解決に誇りを持って対処していくとともに、食糧自給の実現など、厳しい状況の中で生き抜いていく準備が極めて大切ではなかろうか。 Apr.23,2025 目次に戻る |