今政治家のなすべきこと

 与野党それぞれの党首選で各候補が施政方針を述べている。
 しかし、誰も大事なことに触れていないのではないか。

 もちろん、嘘を付かず正しい行動を採るということが大前提であり、与党はかなり危ない。
 政治家が嘘を言ってもいいと行動で示せば、国民にそのような風潮が広がることが避けられない。

 現在取り組むべき政治課題として、異常気象による災害対応がある。
 これには、強靭な国土を造るという主張はあるが、気象変動を抑制する行動への言及がない。
 真摯に考えれば、経済活動を縮小せざるを得ないのだが、各候補はどう考えているのだろうか。

 次に、国際紛争への対応である。
 バランスオブパワーの観点から一定の軍備の必要性は認められよう。しかし、それに限度を設定する枠組みが見当たらない。
 さらに重要なことは、平和形成への積極的行動、国際貢献に関する発言がほとんどない。

 そして国内の拡大する格差、社会の分断への対応については、かなり心もとない。
 まず与党の候補者は、この課題への意識が乏しい。
 野党の候補者も、抽象的な発言はあるが、総合的な対応図式が見られない。
 特に、財政的課題への明確な言及がない。

 多くの課題への対応策は、短期的視点・局部的視点では、国民に忌避される側面が強く、なかなか率直な発言が困難であろう。
 しかし、これを乗り越えて、社会をあるべき方向に導いてくのが、政治家の役割であろう。
 特に野党は、開き直って、これでは社会が潰れてしまうと率直に述べることから始める必要があろう。
 現在の政治情勢は、ポピュリズム的発想が蔓延し危険な状況に陥っている。

Sep.23,2024

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