地球温暖化を直視する

 我々は、地球温暖化の将来を見通すことを避けているのではなかろうか。
 しかし、これを直視し、温暖化ガスの排出を避けるとともに、温暖化の進捗を覚悟し、その上で楽しんで生きていかざるを得ないのではなかろうか。皆とともに楽しんでいく共愉社会を求めたい。

 今後の変化は明確には分からない。しかし、温暖化が一層急速に進み、酷暑から灼熱の夏が次第に長くなっていくのではなかろうか。そしてまとまった雨が降るようになり、多様な自然災害が一層増加していくであろう。さらに海水面の上昇がはっきりと進み、海抜の低い居住地の消滅も進むであろう。ひいては食糧危機等にも見舞われるようになる。
 この結果、世界の脆弱な地域から崩壊していくことが、一層明確になっていくであろう。もちろん先進国も多様な災害から逃れることはできない。

 こうした環境変化が進む中で、人口の維持増大や景気浮揚などを目指すことは、全く方向が違うのではなかろうか。はっきり言って地球全体で共有地の悲劇に陥っている。
 社会がどう成り立つかの難しさはあるが、温暖化ガス排出量の削減には人口が少ないことが望ましい。また、経済活動も縮小することが必要である。特に、交通、冷暖房、多様な建設事業などは、控えていく必要がある。もちろん戦争などやっている時代でない。

 それではどのような社会が存在できるのであろうか。食糧供給の可能性から言えば、日本では、まず江戸時代の3千万人水準が考えられるかもしれない。さらに異常気象の中では、1千万人を下回ることも想像しなければならないのではなかろうか。
 人類の絶滅、社会の混乱を避けるためには、取り敢えずは、人口が1/10の日本を受け入れていくシナリオを描き、多様な隘路を確認し、進路を合意し、果敢に対応していく。この際、現在の科学技術をいかに生かしていくかが要点であろう。

 いずれにしろ、地球温暖化への対策は、人類全体で、そして国としても、地域としても、さらに個人としても、取り組んでいく必要がある。
 我々一人ひとりは、一人当たりの温暖化ガス排出許容量を主体的に鑑み生活を改める必要がある。実は、所得を増やすことなど言っておれない状況でなかろうか。

Oct.19,2024

表紙に戻る