芸術再考意識とは、外部からの刺激と脳内の記憶を集め仮想現実を形成し、ここから新たな物語を創出する閃きである。進化の過程で、意識することを洗練させてきた。この過程でドパーミンが分泌され、物事を考えることに喜びを感じる仕掛けが整ってきた(別ページ再掲)。狭義には、新たな科学的知識を求めた活動が、この流れに沿ったものであろう。 しかし、生活にゆとりが出てくる中で、こうした脳の仕掛けを背景に、多様な思考が巡らされるようになる。それが人々の間で共有されることにより、それぞれの思考は、内容が次第に厚くなり、深みが増すこととなる。そして、多様な文化が生まれてくる。 例えば、多様な物語、宗教、芸術、さらにはスポーツ各種儀式等々を挙げることができよう。 そして社会の中で、いろいろな意味を持つようになってくる。もともとは生きることに直接は役立たないものであったかもしれないが、次第に不可欠なものに変わってくる。 宗教、芸術等の文化は、脳の中に描かれた仮想現実から生まれたものであることを理解しつつ、生活を豊かにするものとして、受け入れればいい。ここに生きている意味を見出すこともできる。 逆に言えば、科学的追求はともかくとして、これらの文化を持たない生活とは、食物を得て摂取し、眠るだけの全く味気ないものとなる。 Nov.19,2024 表紙に戻る |