教育の必要性このメモのページでは、現代の問題として、人々が正しく生きようとしていないことをしばしば指摘している。この正しくとは、道徳的に正しく、真実に沿って生きることの二つの内容を持つ。「黒木登志夫著『死ぬということ』中公新書2024年」を読んだ。本書では、日本人の平均寿命が延び、インフォームドコンセントにより病気の先行きが理解できるようになっているとし、「死後の世界はどうなっているのか」「死んだら自分の霊魂はどうなるのか」などと疑問を抱く人はほとんどいなくなったことを説明している。この結果、人々は、宗教にすがり付くほど死をおそれなくなり、人々はもはや宗教を必要としなくなったとしている。宗教離れ自体は、特段否定することでもないが、人が道徳を身に付ける機会を失っているのではなかろうか。 これに対処するためには、人はそれなりのコミュニティの中で人と触れ合って育つことがこれまで以上に重要になっているのではなかろうか。 他方、経済社会が混乱し、政治が混迷すると、人々に受けのいいポピュリズムが跋扈してくる。このため、今回の衆議院選挙でも、実現できない政策がまかり通り、日本が一層危うくなっているように思える。 これに対処するためには、真実に沿って正しく生きる姿勢を身に付ける必要があり、その前提として確実な知識を身に付けていることが求められる。 いずれにしろ、子供たちが、望ましく育つよう、教育が一層重要になってきているのではなかろうか。ただし、徳育、知育ともに、殊更その内容を規定しようとすることには危うさが伴う。このため、社会の構成員皆でこの教育に参加しなければならない。 Nov.02,2024 表紙に戻る |