新しい生活

 地球の沸騰に関して温暖化ガスの排出をゼロに近づけるためにはどのような生活をすればいいのか。

 まず、エネルギー消費のある移動を減らすため、地域社会の中で、文化・スポーツ活動を楽しむことが基本となろう。ここでの文化活動には、芸術、学問、遊び等々広い内容が含まれる。また、衣食住等の基礎的な生活については、それを楽しむが、華美をことさら求めない。
 このような生活では、あまりお金がかからず、経済活動が低調なものとなるが、正しくそれが狙うところである。これまでの生活と大きく変わり面白くないとする向きも多いだろう。しかし、いわゆる商業主義に主導された消費生活は避け、かえって主体的で豊かな生活がもたらされるのではなかろうか。
 そして、個々人の生活はそれなりに活発なものであっても、お金がかからないことによって、少ない所得でも十分生活ができるようになる。

 また、地域社会での活動を契機として、子供から高齢者まで、互いに繋がり合い、支え合って生きていく。
 これによりケアの必要な人が生まれるのを回避するとともに、ケアが必要な人を孤立させない。
 このため、各自がそれぞれの時間を積極的に割くことを社会生活の基本的な姿と考えるようにしていく。(ある程度の年金を得て逃げ切る団塊の世代は、贖罪のためこのことに特に配慮しては如何だろうか。)

 人々の所得のための仕事は、上述の生活に必要な財サービスの生産に限定していく。
 財の生産としては、基本的な衣食住の供給にとどめる。ただし、文化・スポーツ活動に必要な財サービスの供給にも配慮していく。
 基盤施設の整備については、人口減少を勘案し維持補修を中心として最小限にとどめる。
 ケアサービスとして、地域社会での人々のボランタリィな活動と重ねて、教育・医療・介護サービスの充実を図る。

 以上の内容は、現在の人々の生活・仕事とは大きく異なり戸惑うだろうが、このようなイメージを流布させ、各人の実行を促していくこと大切であろう。
 今日、ポピュリズム的傾向がかなり出てきた日本では、政党の政策提言が行き詰っている。ここで、このような主張をしても、即座には、賛同は殆ど得られないだろう。しかし、本当に必要な道筋を示し、実践の輪を広げていくことが必要なのではなかろうか。

Feb.13,2024

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