介護格差「結城康博著『介護格差』岩波新書2024年」を読んだ。現場経験を積んだ研究者の書であり、多様な問題点を分かり易く解説している。特に、今後起こってくるであろう難問を丁寧に説明するとともに、解決策を提案しており興味深い。 介護保険の導入に際して、「措置から選択へ」と謳われたが、これに限界があったとの指摘はしっかりと捉えるべきであろう。また、財政的支出の覚悟については、法人税の引き上げなどにも触れられており、著者なりに整合性のある提案となっていると思える。 この本を契機に、介護保険の在り方についての小生なりの考え方を整理しておきたい。特に本書では言及されていないが、地域で日常的に人が集まり触れ合える場をつくり、困難な人の孤立を解消し、要介護者の発生を防ぎ、多様なケアラーを支援し、同時に子供を地域で育てていくことを検討してみたい。 Dec.05,2024 表紙に戻る |