意識詳述先日、「ローレンス・クラウス著『私たちは何を知らないのか』KADOKAWA2014年」を読んで、意識についてのメモを作った。意識とは、多様な処理をしている多くの画面があり、そのうちの特定の画面への注目だとした。 しかし、日経サイエンス2024年6月号「知能ってなんだ?特集」及び「三上章允著『脳の教科書』脳BLUEBACKS2022年」を参照すると、単なる注目と言うのでなく、「概念の認識と連想による物語の形成」と捉えることができそうだ。 まず、脳の中の多様なモジュールで、特定の事象について様々なカテゴリー分けを試み、それらを重ね合わせ、その中から飛躍して概念を認識する。 例えば、視覚情報から、目の前にあるのはジャガイモだと認識する。時計が鳴り、聴覚情報から、そろそろ夕食を準備する時刻だと知る。既にある脳内の記憶から、冷蔵庫には肉があったことが浮かぶ等々。これらは必ずしも意識に上るわけではない。 次に、これらのモジュール毎の情報が長距離結合によって、前頭葉にあるグローバル・ワークスペースの短期メモリーに集められる。そして集まった多様な概念の相関から物語を紡ぐこととなる。連想から物語を形成するわけである。 例えば、夕食はカレーライスにしようということになる。 これが、とりあえず中期メモリーとして海馬に送られ、明確に意識される内容となる。 このような概念形成とそこからの物語の紡ぎだしが、意識を形成しているのではなかろうか。 Apr.28,2024 表紙に戻る |