関連項目に戻る

無医地区等調査
―富山県では比較的多い?―

 厚生労働省「無医地区等調査」(2014年)で報告された富山県の地区数は20地区であった。この地域には1340世帯、3148人が住んでいる。
市町地区状況世帯数人口
朝日町大平山間に位置し、
特に冬期間は積雪の状況によっては
受診が容易でなくなる
1313
黒部市栗寺定期交通機関のない山間地帯1555
黒部市布施山定期交通機関のない山間地帯59189
魚津市池谷・小菅沼山間部で医療機関がなく、
また、公共交通機関がない地域
1117
魚津市白倉(鉢・虎谷)山間部で医療機関がなく、
また、公共交通機関がない地域
1521
上市町山加積地区
50163
上市町白萩南部地区
5699
上市町白萩東部地区人口が50人未満で
かつ容易に医療機関を利用することができない
710
立山町東峯地区中山間地のため容易に医療機関を利用できない2960
富山市八尾町 大長谷
3860
高岡市五位山地区
170422
氷見市仏生寺
64162
氷見市久目
4399
氷見市宇波
65157
氷見市女良
92190
氷見市八代
182368
氷見市碁石
227512
砺波市栴檀山地区少子高齢化が著しく進行している地域179472
南砺市東西原中山間地で市営バスが午前2便、
午後3便あるが徒歩で病院までは1時間を要し、
医療機関受診は容易で
1863
南砺市利賀村大勘場
・大勘場(千束)
市営バスが1日3往復の時間設定があるが、
オンデマンド運行区間であり
乗降を希望する場合は
希望日時を行政センターまで
その都度連絡しなければ乗降はできず、
医療機関受診には不便である。
716
合計
13403148
 富山県の無医地区等として報告された具体的な地区は右表のとおりであり、市町村内の地区で医者のいない地区を報告したようである。
 個人によっては医療を受けることが困難な人が勿論いるであろう。しかし、多くの人が困難な状況にあるとは必ずしも言えないようだ。ほとんどの地区は、近くに一層大きな集落がありしっかりした道路もついている。
 小生の判断では、右表のうち、朝日町大平(堺川支流大平川沿い)、富山市八尾町大長谷(室牧川支流大長谷川沿い)、南砺市利賀村大勘場(都賀川沿い)が若干孤立した地域と思われる。ちなみにこの地区に居住するのは合計で58世帯、89人である。
 いろいろな議論はあろうが、基本的には富山県は、孤立した地域が極めて限られているのが特徴と言えるのではなかろうか。


 厚生労働省「無医地区等調査」の結果報告では、個別の地区が列挙されており、世帯数・人口の集計等はされていない。無医地区の定義が明確にできず、各地域の報告を並べるにとどめたということである。
 仮に、都道府県毎・全国で集計すると、無医地区等に居住する人は、人口千に当たりで全国の1.65人対して、富山県で2.94人となる。富山県は都道府県の中で20番目に多くなっている。
 これは小生の富山県のイメージとかなり異なるものである。


統計データ


関連項目に戻る

(Jan.08,2019)