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2016年の都市計画の大規模変更
―市街化区域をどこまで増やすのか―

 富山高岡広域都市計画区域について、15年ぶりの大規模変更がなされようとしており、市街化区域が360ha拡大される予定となっている。人口が減少し、世帯数もまもなく減少し始める中で、都市的に利用する県土の範囲を増加させることにはいかがなものであろうか。

市街化区域の拡大 2016年大規模変更
  ha富山射水高岡
工業等産業用地37.0 17.7 77.1 131.8
公共施設用地一般都市17.5 9.3 26.8
環境施設7.1 99.1 106.2
人口集積地新駅周辺8.8 8.8
既存駅周辺55.9 18.6 74.5
既存集積周辺21.1 21.1
  計100.0 155.4 105.0 360.4
 今回新たに市街化区域化する予定の各地点にはそれぞれ理由が十分にあり、ことさら否定することは難しい。
 あえて言えば、既存集積の外縁を広げるものが射水市に2件、合計21haあるが、県全体の土地利用と人口動向からみて新たな市街化を抑制するという発想があれば、これは否定されるべきかもしれない。
 これに対して、鉄道新駅を含め鉄道駅周辺での整備は都市をコンパクトにまとめていくという意味では許容されるものかもしれない。
 高岡市の新幹線駅周辺をどうしていくかについては、既存中心部の一層の空洞化につながるが、市としての都市計画の姿勢がはっきりしていない。

 いずれにしろ、県土全体の利用構想を明示し、都市計画をその中に位置づけ、この機会に、もはや宅地を拡張しないと宣言することなど必要であろう。
 また、農業振興地域の農用区域の転用を厳しく制限すること、税制などにより市街化区域内の農地、その他遊休地の利用促進を図ること、さらに空き家の利用対策を進めることなど、総合的な施策の展開が必要である。
 このような規制を厳しくする施策の展開は、行政として困難が多いだろう。しかし、富山県の都市(DID;国勢調査での都市地域)の人口密度は、都道府県の中でも極めて低くなっていることに留意が必要である。環境に優しいコンパクトシティを目指しているのだが、実態はもっとも散らばった居住になっていることを自覚しなければならない。
 いずれにしろ、都市計画変更関連の資料(ホームページで提供)の中では、人口と土地利用のマクロ的な関連や都市計画以外の土地利用の方向について言及がないようである。個別の地点の市街化区域化の是非だけでは、対応できない問題のはずである。

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(May.22,2016)