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2021年公示地価 ―軽微なコロナ禍の影響―
コロナ禍により、2020年中は大都市圏を中心に、地価の上昇率の縮小あるいは下落率の拡大が起こったが、富山県での変動は相対的に軽微であった。その後の回復過程では、当然かもしれないが、富山の伸びは低いものとなってる。ただし、2024年には商業地・住宅地とも前年度比横ばいとなった。
(1) 地価変動の推移
地価公示(2021年1月1日)で富山県の商業地価格の前年比増減率(全調査地点平均)は0.0%の横ばいとなった。2000ゼロ年代半ばから約10年間下落率を小さくし、2015年以降はほぼ0%に近い水準で横ばいになっていたが、2021年はコロナ禍で下落幅が若干大きくなりその後回復している。
これに対して、富山県以外の多くでは、最近年も下落幅を縮小、あるいは上昇幅を拡大していたが、2021年は、コロナ禍により、大都市圏を中心に、地価の上昇率の低下あるいは下落率の拡大が起こり、その後大幅の回復を見せている。
全国で地価が上昇しているのは、主として大都市圏の都府県あるいは国の主な地方支分部局の所在県となっている。階層的な一極集中が進んでいると言えよう。
また、富山県の住宅地価格の前年比増減率(全調査地点平均)は、0.0%の横ばいとなった。これまでの動向については、商業地と同様のものとなっている。
(2) 都道府県比較
地価変動率の都道府県順位の推移を見ると、かつてはかなり低い位置にあったが、近年は10番台で推移しており、これを新幹線開通の効果と見ることができるかもしれない。しかし、その後低下し、2020年には商業地は27番、住宅地は21番までに低下した。
かつて低い位置にあったのは、富山県で新たな宅地供給がかなり潤沢になされてきた効果であり、その限界と新幹線開設の効果で一旦相対的に高くなったが、地域間競争の中でこうした効果が続いていないということになろう。
なお、2020年中については、相対的には低下が少なく順位を上げている。富山県はコロナ禍の経済への影響は軽微であったということであろうか。ただし、コロナ禍以降の回復過程では、富山県は相対的に低くなっている。
(3) 市町村比較
各市町村の地価変動については、標本地点数が少なく、明確な判断は難しい。しかし、富山市を中心としたそれなりの一極集積が進んでいるのではなかろうか。
(統計データ)
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(Mar.25,2021Rev.)
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