参考 地域創りの意思決定 第3節 社会組織 第1項 社会の理論 2.地域社会の理論【社会類型論】
しかし、かつてコミュニティは肯定的な側面ばかりでなく、否定的な側面も抱えるものとして捉えられていた。 社会集団の類型として、大きく近代以前の類型と近代以降の類型に二分すると、コミュニティは、近代以前の類型とされ、人と人との過剰な繋がりを持ちがちである。さらに戦争中の町内会等が翼賛会となり戦争遂行に加担したとして戦後に否定されたこともあった。
地域社会組織の弱体化に対する懸念は、行政府内でも1970年前後に既に現れている。この時期は、我が国が経済的キャッチアップの過程を達成し、包括的な国家目標が曖昧になり始めるとともに、大衆社会が形成された時期でもある。 具体的には、国民生活審議会において、「コミュニティ」の言葉が現れ、ついで、自治省が、モデルコミュニティなどの施策の展開を図った。 ただし、「コミュニティ」の用法は、社会学でR.H.マッキーバーが使った意味とは異なり、地域での自発的な責任論が念頭に置かれてきた。 (Feb.10,2016Rev.) |