平和への努力 ―誇りある生き方―
地域として、多様な国際貢献を進めるとともに、国際的に誇れる生き方を探っていく。
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日米安全保障条60周年に際して安倍首相は、日米の連携が国際平和に貢献してきたと説明している。これは、パワーバランスによる安全保障を念頭に置いており、憲法第9条の狙うところとは若干ずれがある。確かに国際政治のリアリズムの下でパワーバランスへの配慮は避けられない。しかし、一方で、協調的安全保障への努力を怠ってはならず、これが日本国憲法の精神であろう。憲法制定過程の議論はともかくとして、少なくとも我々はこれを念頭に置いて、憲法を誇ってきたはずである。ただ、このための努力はかなりお粗末に思われる。
ところで日本では、死刑廃止に相当数が反対している。多くの人が「死刑を廃止すれば、被害を受けた人やその家族の気持ちがおさまらない」、「凶悪な犯罪は命をもって償うべきだ」と考えている。この考え方を国際間の争いに敷衍することはできない。しかし、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」の精神とはかなりずれているのではなかろうか。
他方、国際的な困難に直面する毎に、日本人の歴史的一体性を強調しようとする姿勢も目立つようになっているのではなかろうか。
これらについては、戦争を回避するという観点から見て、我が国はかなり危うい発想を持っているといえよう。
今日、国際的に誇れる生き方、多様な国際貢献を進め、「我が国を暴力的に攻めようとする国が国際的に非難される」ような状況を形成していくことが憲法の姿勢であろう。
残念ながら、国全体としては、この努力に欠けているように思われるが、富山県としてそれなりの努力をしていきたいものだ。このため地域としての明確な予算を設けて努力してはどうだろうか。
まず、地球温暖化ガスの排出削減は当然の責務である。
さらに、地域なりの積極的な国際貢献として、県内の企業が展開している各国の中小水力発電への支援や防災・災害復旧工事への参画を県として積極的に後押ししてはどうだろうか。
また、地域なりの国際交流にも大いに支援したい。
そして、第二次世界大戦の歴史を我が国の行動を含めて、丁寧に子どもたちに伝えることも重要である。国全体では、極めおろそかになっているが、富山県なりに努力していきたい。その内容には、きっといろいろと議論がでるだろうが、歴史修正主義は避けなければならない。
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(Jan.21,2020)
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