土地管理機構創設
持続可能な土地利用

 持続可能な土地利用として、耕地のこれ以上の宅地化を防ぎ、既存宅地の有効活用を図る。
 空き地では太陽光発電を積極的に行い、耕作困難な耕地には大豆を栽培していく。
 これらを事業として積極的に展開していくために土地管理機構を創設する。

 富山県では、団塊及び団塊ジュニアの世代が住宅を求めた1970年代前半、1990年代半ばに、農地が大幅に転換され、既存都市地域周縁への住宅地のスプロールが進んだ。現在も、年々100ha台の農地の転用が続いている。
 大都市圏で住宅地のスプロールが進み始めた1960年代末に、秩序ある開発整備を念頭に置いて都市計画、農業振興計画が制度化され、全国一律に適用された。しかし、大都市圏以外の多くの地域では、市街化調整区域の外側に、農用地区域の存在にはあまりこだわらず、小規模な住宅団地の形成を促した。自動車社会化が進み市街化調整区域の存在が意味をなさず、かえって住宅地のスプロールを促した面がある。

 現在、人口減少・高齢化が進んでおり、住み易い都市地域を維持していくため、空洞化を避けコンパクトにまとまった都市の形成が求められる。このため既存住宅の有効利用を図り空き家の増加を防いでいく必要がある。また、農地の新たな宅地化を抑制する必要がある。地球温暖化による食料供給の危うさに対しても、耕地の維持温存が重要である。土地所有という権利の上に胡坐をかくことは許されず、土地所有者はそれなりに有効活用を図っていく義務がある。これはロックの所有権の根拠付けにも沿うものである。

 具体的には、住居等として活用されない土地については、太陽光発電の敷設を進めてはどうだろうか。また、耕地についてもその活用を促すとともに、さらに大豆の栽培を組織的に進めてはどうだろうか。このような21世紀前半の県土利用のイメージを共有するとともに、実際に事業として進めるために、土地管理機構を設置してはどうだろうか。

 このため、空き家の処理には、効果的な対策を求める必要がある。固定資産税の制度から更地化が避けられる面があるが、空き家にもそれなりのペナルティを課す必要があろう。転売して活用されればそれでいいが、活用されなくなった場合は、公共への返還が本来の姿であろう。この際、更地化し返還することを原則とし、その費用も所有者が負担する必要がある。土地が資産である状況が変化しつつあることを認識する必要があろう。これによって相続放棄が増える可能性があるが、その他の資産があっても相続しないのであればやむを得ないであろう。
 そして、土地管理機構が積極的に介入し、更地にして太陽光発電を進めてはどうであろうか。電力は売電することとなるが、一方で水素化による蓄電システムを整備し、自動車燃料としての利用を展開していく。

 耕地については、稲作等が継続されていない土地について、耕地としての維持管理が重要な課題である。
 当面は大豆の栽培、加工を展開してはどうだろうか。富山の農業生産の規模は都道府県の中では小さいが、大豆の生産については、転作作物として、それなりの位置を占めている。これには、耕地の保全の意味もあるし、さらに人造肉としての活用は排出ガス削減に大きく貢献する。また、シンガーの唱える「動物開放論」も支持するものである。この可能性については検証していないが、皆で支援して伸ばす価値があるのではなかろうか。6次産業振興の掛け声があるがいかがであろうか。

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(Jan.24,2020)