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外国人の国際移動 ―人口増減に大きな影響―
2012年から外国人も住民基本台帳に掲載されるようになり、総務省の「住民基本台帳人口移動報告」で外国人の社会移動も報告されるようになった。ただし、この移動は都道府県内の市町村間及び都道府県間の移動を積算したものであり、国際的な社会移動は算入されていない。
2017年10月現在の富山県の総人口1,056千人のうち外国人は1.2%の13千人であるが、人口の社会移動では、大きな比重を持つようになってきたことに留意が必要である。
これまで富山県の人口の流出入については、年々若干の流出超過で推移しているとされていたが、日本人だけでなく外国人を加えた総人口で、さらに国際移動を加えてみると、様相が違ってくる。
2016年10月から2017年9月までの富山県境を超えた人口は、転入転出それぞれ都道府県間で13,592人、14,423人、国際で16,031人、14,617人であり、転入転出とも国際移動の方が大きくなっている。
国際移動は日本人も転出入それぞれ5,000人弱で多いが、外国人はそれぞれ日本人の倍以上の動きとなっている。
それぞれの動きの転入転出の差(純流入)を見ると、都道府県間では831人の流出超過であるが、国際では1,414人の流入超過と大きく、総計では583人の流入超過となっている。
国際で流入超過が大きいのは外国人の1,165人が貢献している。
これは、技術実習生の受入れの拡大で、ヴェトナムからの流入が大きい。
一般には、人口流入の拡大を肯定的に捉えるようだが、技術実習生の受け入れについては、国際貢献というより安価な労働力の導入という面が大きく、国際的には芳しくない評価を受けている。このため富山県で人口流入が拡大したからといって、単純に喜んでいいものではないであろう。
参考
総務省「住民基本台帳に基づく人口動態及び世帯数調査」
統計データ
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(Jul.11,2018)
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