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日本語指導が必要な児童生徒の状況 ―懸念される対応―
(1) 総人数
小中学校期の外国籍の者の総数は、全国で114,214人である。
大都市圏中心となっており地域差大が極めて大きい。
富山は大都市圏に次ぐ位置にあり、726人で都道府県順位では21番目となっている。
各都道府県の児童生徒総数に占める外国籍の者の比率では、全国の1.18%に対して、富山は0.92%となっている。都道府県の中では17番目である。
外国籍の者のうち、不就学あるいは不明者の比率は、全国で8.6%と大きい。
富山は1.2%にとどまり、都道府県順位では32番目となっている。
富山県には日本語指導が必要な児童生徒が日本国籍の者を含めて、385人いる。
全児童生徒数千人当たり4.89人であり、これは全国の5.24人/千人より若干少ない。
この割合も地域によって大きな差がある。特に大きいのは三重、愛知等の中部地方の県、次いで大きいのは首都圏、北関東の都県となっている。
日本語指導が必要な外国籍の者は、全国で40,485人で外国籍の者全体の35%を占めている。
これに対して富山では332人で46%となっており、全国の比率よりかなり大きい。
(2) 国籍
外国籍で要日本語指導児童生徒の母語は色々と混ざっているが、その構成についてみると、中部・北関東の県については、相対的に、スペイン語ポルトガル語が多く、首都圏では中国語フィリピン語ベトナム語が多くなっている。
スペイン語ポルトガル語は南米であり日系人として在留する者の子弟、中国語フィリピン語ベトナム語はアジアであり研修生等として在留する者の子弟が多いと考えられる(研修生が子弟を同伴できる訳ではないので、統計のみでは実態がよくわからない。)。
外国籍の日本語要指導者の比率は南米の言語を母国語とする者で一層多いように見られる。
他方、日本国籍でも日本語指導が必要な者もおり、全国で10,274人、富山県で53人となっている。
富山県内では、日本語の指導が必要な外国籍の児童生徒のみで91校(日本国籍は49校)に在学しており、1校当たりでは平均で4人程度となる。このため支援体制が十分なものとなっているか懸念される。(特別指導の有無も調査されているが、統計のみでは実態がよくわからない。)
外国人労働者の受け入れについては、単に働き手の導入を図るというのでなく、働く者が人として生活できる環境を整えることが前提ではなかろうか。このことをしっかりと考えると、外国人労働者の受け入れ自体が不採算な事業だと考えられるが、その受益者と負担者が曖昧なまま展開されている。
(統計データ)
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(Oct.02,2019Rev.)
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