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地球平均気温の推移 ―2023,2024年に急上昇―
2023、2024年の地球の平均気温は急上昇している。
今後の見込みは定かでないが、急上昇が続く可能性も否定できない。
これによって、地球生物の大混乱が一層急速に進む可能性もある。
Climatic Research Unit, University of East ANglia
Land air temperature anomalies on a 5° by 5° grid, not infilled (Osborn et al., 2021)
CRUTEM5 uses the standard gridding method and is accompanied by an error model to provide estimates of the uncertainties in grid cell, hemispheric and global series.
別途、研究所推奨の最新版の系列があるが、図版はCOPで利用されているもの。
地球の平均気温が上昇しつつあることが確認されたのは、1980年代末のアメリカでの旱魃に際しての議会での証言であった。
当時、学識者の中には、勇み足という意見もあったが、今日では、ほぼ合意されている。さらに温暖化ガスの影響であることも確実視されている。
このため、温暖化ガス削減の議論がなされる際は、一般には、1990年の排出量が基準とされる。
温暖化ガスの排出がどの程度に抑制されれば、地球温暖化がどの程度抑制されるかははっきりしない。しかし、このままの排出を続けていれば地球生命の大量絶滅が起こる可能性も言及され始めている。ちなみに地球生命の大量絶滅はこれまでペルム紀末や白亜紀末など5回あったとされ、今度は6回目となる。
このため、人類が協調して温暖化ガス排出の削減をしなければならないことは明らかだが、国家間の政治的駆け引きとなってしまい極めて困難な状況にある。
仮に各自の置かれた立場を離れ、全人類あるいは全生命の立場に立って、どのように削減すべきか考えるとどうなるか。
J.ロールズの『正義論』にある無知のヴェールの後(自分が何者か分からない状況)で判断すれば、まず、約70億人それぞれ同量の排出権が想定されよう。現在の排出量で言えば、CO2で4.6t/年である。これは現在の日本の水準の約1/2に相当する。ちなみにこの想定に賛成し個人的排出権取引も許容しなければ、各人の物的消費は一定量に制限され、より多くの所得を得ることは無意味になる。
さらにこれまで大量に排出してきた先進国の責任に鑑み、削減量に格差を付けることも考えられよう。仮にこれを1/2とすると、日本では1/4までに削減しなければならない。
また、総排出量を大幅に縮小することも必要である。例えば1/2までに縮小することとすれば、日本では1/8までに削減しなければならない。
このような試算は、決して過大な計算でなく、現在の状況に鑑みた素直な計算と思われるのだがいかがだろうか。
昨今の経済状況に鑑み躊躇するのは、「健康のためには死んでもいい」と言っているようなものである。
国家間の駆け引きに鑑みれば、人類はこの困難を乗り切る力量は持たず、かなり悲惨な状況に追い込まれるのてばなかろうか。
このような状況のもとで、我々一人ひとりはどのように行動するか。極めて難しい課題である。
例えば、日本の排出量を効果的に削減する手段として、人口を1/10程度にまで減らす方法もある。現在、人口の減少について大騒ぎをしているが、このように発想する人はいないのだろうか。
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