富山薬窓会 富山・石川合同支部 活動報告 本文へジャンプ
平成29年度  富山・石川合同支部総会

 

支部長挨拶

2017.7.1 

石黒龍太郎

皆様、本日はご出席有り難うございます。わが支部も、合体後の揺籃期を経て5年経過し、形が整ってきました。昨年秋に新しい幹事さんが6人も加わり、役員の若返りと活動のマンネリ排除の気運が高まってきたこと、お膝元の利点を生かして、より一層ユニークなご講演を拝聴することができるようになったこと、などです。

 さて、このところ地元紙や業界紙を賑わすのは、「富山県の医薬品生産額が、7300億円に達し、全国一となった。名実ともに「くすりの富山」となった」との報道です。(***新聞 3月30日付け 紙面)

この快挙を支えているのは、ここに集うわが富山大学薬学部の卒業生の皆さんの日頃の努力と、さかのぼって、その原動力とも言える母校の先生方のご指導・ご薫陶の賜物だと思います。ほかにも国や県など行政機関の支援もありますが、何と言っても母校の存在と企業や組織の中で日夜努力されている皆さんのご尽力に負うところが大きいと思います。

ところで、生産額が日本一となったのは、ジェネリックや受託製造拡大という生産活動のみならず、付随して研究開発・創薬の分野にもエネルギーが注がれているからに他なりません。やはり、経済の成長分野である医薬品産業をリードして行くには、生産だけでなく、独創的な研究・創薬、独創的な技術、イノベーションの要素がなくては、この地位をキープ出来ません。その努力を日夜絶やさぬ我がご同胞・支部会員の皆様のご尽力に深い敬意を表したいと思います。

そこで、地元紙を賑わすもう一つのキーワードがあります。それは、生薬・伝統薬の研究を生かしていく活動です。ここにその一端を報じた地元新聞の記事があります。(***新聞 6月20日付け 紙面)

日本と世界が抱える大きな課題の一つに「認知症」がありますが、この難問に対し、他では類を見ない独創的なアプローチ、いわば、「伝統薬物based創薬」と呼ぶ手法で挑んでいらっしゃる東田千尋(とうだ ちひろ)先生のご研究です。

300年の伝統を受け継ぎ、産官学一体となって薬都とやまの実現を目指す冨山県にとって和漢医薬学総合研究所と東田先生の存在意義は大きいです。今や生薬の中から新たな創薬の動きが芽生えつつあるのです。本日はその中心にいらっしゃる東田先生にご講演をお願いしています。

なお、新聞報道と言えば、大学本体の改革の記事も多くアップされています。学部の新設、教養課程を五福に一元化、国公立大学の中で志願者数全国8位にランクされるなど、大学の改善も着々と進んでいるようです。

本日はご来賓として、薬学部長の細谷先生、副薬学部長の酒井先生にお出でいただきました。お忙しい中、ご臨席賜り有り難うございます。両先生には大学本体の動きや、開学123年に及ぶわが薬学部をめぐる課題と取り組み、またわが薬窓会の現状と同窓会組織のあり方・などについて、ご挨拶を兼ねてのご講話をいただきます。それでは、細谷先生から、よろしくお願いいたします。